トップページ > 印刷業界のお話 > 印刷会社の経営を変化させるために > 1990年代以降の印刷の売上の減少
印刷業界の売上は、この10数年の間、減少を続けています。
この間、他業種の景気は回復しているにもかかわらず、印刷の売上が減少しているのです。
1990年頃までは、印刷の売り上げと景気の動向は、一致した動きを見せていました。
すなわち、景気がよければ印刷の売上が上がり、逆に景気が悪ければ印刷の売上も下がりました。
しかし、1990年代以降様相が変わりました。
この数年の景気の回復によって、印刷・情報用紙の需要が伸び、その結果、印刷物の量も増えています。
しかし、同時に単価が低下しているため、それが売上に結びついていません。
背景には、印刷会社が過当競争に陥ったことがあります。
そもそも、印刷業界は、競争とは無縁の業界でした。
印刷会社と顧客企業との受発注関係が固定化されていたからです。
しかし、1990年代以降、その関係は崩れていきました。
結果、印刷会社同士の競争が始まりました。
印刷会社が価格競争に陥ったのは、印刷会社特有の価値観が原因と考えられます。
すなわち、印刷機を動かし続けることが目的であることと、原価代の回収にしか興味がなかったことです。
1990年代までは、その考え方でやってこれましたが、1990年代以降の動きにはついていけませんでした。
いったん下がった価格を上げることはできないばかりか、反対に更なる値下げを要求されるようになっています。