トップページ > 印刷業界のお話 > 印刷会社の経営を変化させるために > 都市と地方の印刷会社の違い
最近は、地方の印刷会社による、東京や大阪などの大都市といわれる都市での受注が増えています。
背景には、広域ネットワークが普及したこと、物流網が整備されてきたことなどが考えられます。
そもそも大都市と、地方の印刷会社は異なる形態をとっています。
大都市では、分業化が進んでいるのに対し、地方の印刷会社では、印刷のほぼ全工程を内製化しています。
分業の進んだ大都市には、工程ごとにそれを専門とする会社があります。
分業の方式では、大量の受注を処理する場合に利点があります。
しかし、少量の受注は不利になります。
分業のため、一工程ごとに場所の移動が必要となるからです。
それに対して、地方では、少量生産時の問題はありません。
内製化されていて自社で一貫した生産ができるので、一工程が終了すればすぐに次の工程に移れます。
そのため、生産期間を短期間にすることができます。
また、インターネットに代表される広域ネットワークを利用して、遠隔地校正を行い、校正手順の簡易化が行われています。
納品についても、地元の運送業者と提携しているので、安価に印刷物を移動させることができます。
さらに、地方では、大都市に比べて、印刷にかかるコスト(人件費など)を低く抑えることができます。
従来、地方の印刷会社は、地元での受注に依存しています。
しかし地方自治体や地元大企業と強い結び付きのない印刷会社が今後大都市に進出する可能性があります。